採掘場より工場に入荷した原石は、熟練した職人が再度検品します。寸法、色合い、傷、ムラ、帯、鉄キ、様々な項目を水をかけて、確かな目視で丁寧に検品します。石の表面を水で濡らすことで、乾き際に傷などが鮮明に確認できるのです。
これらの丁重な検品を終えた後、最初に機械にかけるのは大口径(約120インチ=直径3メートル)といわれる大きな切削機械です。大割した原石を石の素性を読みながら大口径にセットします。また、効率良く切削するために、機械の大きさも大口径、中口径、小口径と次第に小さな切削機に変えながら工程を施していきます。
切削機のブレード刃先には、比較的柔らかい 金属にダイヤモンドを練りこんだ金属のチップが付いています。このチップで石を切断していきますが、切るというよりは、水をかけて熱がかからないように細いヤスリで削っていくというイメージです。
石の切削工程は、切削位置の感覚、切込みの深さ、スピードといった要素が重要で、これらを最適にすることが、精度の高さにつながっていきます。