研磨には、自動研磨、手動研磨、手磨き(ハンドポリッシャー研磨)の3種があり、研磨機とは、専用の研磨盤を用いて石の表面を水平に削りながら研磨していく機械をいいます。
石の研磨は 、決して簡単で単調な作業ではなく、熟練した職人になるまでには数年かかるといわれています。石の特性に合わせて研磨盤を変えたり、回転速度と水の量と圧力を調整して一面一面を丁寧に磨いていきます。
メタル80番・200番・400番、樹脂500番・1000番・2000番・3000番、バフの順で磨きをかけていきます。1番粗い80番の研磨盤では、切削機で曲がったり、ねじれたりした部分を熟練した職人が丁寧に平らにおろしていきます。
メタルとは、比較的柔らかい金属の中にダイヤモンドを均等に練りこんだ金属製のチップが付いた円形の研磨盤をいいます。このチップの付いた研磨盤を研磨機に装着し、モーターの駆動で回転させて石を平らに削っていきますが、研磨盤と石が摩擦で熱をもたないよう水をかけながら高速で回転させて石を削っていきます。メタルチップの金属が石と接触し、新しいダイヤが 徐々に出てきてキレが止まらないように削っていきます。
樹脂とは、硬質プラスチック系のものにダイヤモンドチップを練りこんだものをいいます。比較的粒度の粗いダイヤモンドは、メタルで固めますが、細かいダイヤモンドは樹脂で固めます。
最後の仕上げとしては、バフという研磨盤を使い艶を出していきます。バフは、酸化スズ、酸化アルミナ、酸化セリウム、酸化クロムなどをゴムの練りものに、ブタやウマの毛をつなぎにして固めたものをいいます。石に熱をかけることで、化合物と石の表面が化学反応をおこし、艶が出るという仕組みになっています。
研磨工程において、過剰に熱をかけ過ぎると艶は出ますが、目では認識できないヒビが入り、表面が荒れて経年変化が早くなりますので、適度な加減が必要とされます。